テストの点数を叱る前に、一度立ち止まってみてください

教育コラム

保護者の方へ ― 現場の講師からのお願い

生徒を見ていると、時折こんなことがあります。
小テストの丸付けをしているとき、あるいは返却された答案を確認するとき、実際の点数とは違う数字が書かれているケースです。何点か上乗せされていたり、できていない問題が直されていたり。

はじめは「なぜそんなことを」と思いますが、話を聞くと理由はほぼ決まっています。

「親に見せると怒られるから」

気持ちはわかります。
頑張ったのに思うような点数が取れなかった。それを家に持ち帰ることが怖い。そのプレッシャーから逃れようとして、数字を書き換えてしまう。子どもなりの防衛本能です。

でも、これは子どもだけの問題ではありません。


■ 小テストの本来の目的

小テストは「点数で子どもを評価する」ためのものではありません。
どこが理解できていて、どこが抜けているのかを明らかにするためのツールです。

できていない箇所を見つけ、そこを埋めていく。
その繰り返しが成績の向上につながります。

点数が低くても、それ自体は問題ではありません。
むしろ「今の状態がわかった」という貴重な情報です。

ところが、その点数を誤魔化されてしまうと、どこが抜けているのかが見えなくなる。
講師も、本人も、現状を正確に把握できなくなってしまいます。

これでは志望校合格という目標に向かって、正しい方向に進むことができません。


■ 叱ることが逆効果になるとき

もちろん、明らかに手を抜いた結果の低得点であれば、厳しく伝えることも必要です。
けれど、ある程度取り組んだうえでの結果であれば、話は違います。

「なんでこんな点数なの」
「もっとちゃんとやりなさい」

こうした言葉は、子どもを動かすよりも、萎縮させる方向に働くことがあります。

次に同じことが起きたとき、子どもは「また怒られる」と思い、正直に見せることをやめてしまう。
そのサイクルが繰り返されることで、勉強への苦手意識や、点数を隠す習慣が定着していきます。


■ お願いしたい声がけのスタンス

点数が思わしくないときほど、最初のひと言が大切です。
たとえば、

・「どこが難しかった?」
・「ここはできてるじゃない」
・「次はここを一緒に確認しようか」

こうした言葉は、子どもに「正直に話してもいいんだ」という安心感を与えます。
そして、できていないことを恥ずかしがらずに向き合える環境が、結果として学力の向上につながります。

子どもが本当の点数を見せてくれるということは、それだけで信頼の表れです。
その正直さを、まず受け止めてあげてください。


厳しさと温かさのバランスは、難しいものです。
でも、子どもが「正直に言える」と感じられる関係が、勉強の土台になると私たちは考えています。

一緒に、子どもの可能性を育てていきましょう。

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